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2019/04/06 13:17
植物は本来強いもの
農薬など無い時代には、作物が収穫できなかったのか?
かつて農家は、自家用野菜として多種多様な野菜を栽培していました。その畑では、特定の病害虫だけが繁殖する事は無く、農薬を使わなくともそこそこの生産物が採れていたはずです。しかし、最近の農業現場では大規模化が進み、特定の野菜だけを大面積で栽培する方法が主流となっています。その畑では、特定の病害虫が大量に発生します。そうなれば、必然的に農薬を使用しなければならなくなるのです。植物にはお互いに緩衝し合う作用があります。例えば、トウモロコシの隣に麦を植えるとそれぞれに特定の病害虫が発生しにくくなるといった具合です。ですから、混植することにより、農薬を減らせるのではないでしょうか。
除草剤によって失われる季節感や食文化
最近の田んぼの周辺では、農薬の散布により雑草など生えておらずとてもキレイになっています。雪解けとともに顔を出す「ふきのとう」。餅にいれたら美味しい「ヨモギ」を始め、「つくし」や「おおばこ」。十五夜のお月見の風物詩「ススキ」の穂。泣き声で癒してくれる「コオロギ」や「スズムシ」までもいなくなります。これらの季節感や風習、食文化など大切なものまで失われているのです。
本当に美味しい農産物とは
野菜や果物は自然に熟した時期(旬)のものが一番美味しいはず。その「旬」の時期に、一生懸命栽培した生産者の気持ちも一緒に食べていただく。そんな信頼関係を消費者と築いていけたらと考えます。お互いの顔を思い浮かべながら栽培し食する、さらに季節感を味わえる農産物は、安全・安心で本当に美味しい農産物に違いありません。
私が目指す農業、それは「心の故郷」
私が農業を営む生まれ育ったこの地域で、心の交流ができる場(場面や場所)を作りたいと考えています。その為には地域の皆さんの協力が必要になってきます。地域全体で農地を守り、環境を保全し、そこに住む皆が何らかの形で農業に携わって農村文化を継承していく。そして、ここを訪れた人達が住民の生活に触れ心を癒していけるような地域、まさに「心の故郷」でありたいと願っています。